長い闘いの終焉

2003年1月15日
それは呆気なく訪れた。しかし終り方は壮絶であった。(どっち)
論文を提出する窓口である学務科の受付終了が名目上5時迄というのに、提出間近の院生が屯する院生自習室で、推敲を重ね、一応の完成をみたと思われたのが、4時半過ぎ。
そこから力強い友人の助成のもと、何百枚もの印刷に次ぐ印刷。走る。製本作業。走る。と、誤植発見。泣く。走る。

…もうね、死ぬかと思った。冗談抜きで。退院もとい卒業をかけてあんなに心臓に負担がかかる修士論文て、一体何。
ああでも考えたら、最終的な論文の提出〆切は、明日の3時迄でありました。知っていたけど、ほらギリギリって嫌で…(今日ギリで出した)。
本当は、もう何日間もろくろく寝ていなくて、今日も30時間以上起き続け気を張り詰めっ放しで、更にパソコンに張り付いていた御蔭でかなり視力も落ちて、これ以上終わらない闘いを続ける気力・体力ともに限界に達していたから。

終わることはない。終わらせない限り、終わらないのだ。
これは今回論文をやっていて友人としみじみ感じた事実。
何万字も書いていると、推敲すればする程、まるで消しゴムのカスみたいに修正箇所がぽろぽろ出てくる。やっとの思いでそれを一掃したかと思いきや、消しゴムのカスの裏に隠れた新たなる消しゴムのカスが再び浮上。それが終わればまた…という感じで、ついぞ終わることはないのである。

気力と時間が無尽蔵に有るという御仁は永遠に続けるが宜しいが、ある程度の所で線引き、もとい妥協的解決を図らねば提出など出来ない。
そう自分自身に言い聞かせながら終えた闘い。だからかどうか、終わった実感に乏しく今一釈然としないのである。
…いいや、終わったんだ。頼む終わらせてくれ給へ。

それにしても院生になって今回ほど友人の有難味を肌で感じたことは無い。
それぞれ皆が大変な時期、引篭もって鬱病患者の様になっていた私に、終わったら旨いものでも食べに行こう其れ迄頑張れ、と励ましてくれた友人、気分転換に宇多田の2時間ラジオでも聴けと言ってくれた友人、参考文献を一緒に探し出してくれた友人、にっこり微笑しつつ黒表紙を差し出す私に「えっ…」と言いつつ6部全部の表紙を作成してくれた友人、…そして何といってもK氏には信じられない位世話になった。

エクセル・ワードの使い方から、viavoice&ウイルス対策ソフトのインストール、PCを使い易いように整理してくれ、直前期に私のFDが壊れた&ハードがクラッシュした(顔面蒼白になった)為に文書をアップできる掲示板を作成してくれ、データを保存してくれて、その整理までもしてくれて、表紙のテンプレートを送ってくれ、手直してくれて、私の分からない箇所は懇切丁寧に教えてくれて、どんな事も律儀に調べ上げてくれて、家での論文作成中に私が思わず眠りそうになるのを防止する為に夜中何度も電話をくれ、今日なども学校で一番綺麗に印刷が出来る所まで何度も走ってくれて、もの凄い早業で製本作業を手伝ってくれて、というか今考えてみたらば論文の内容以外ではK氏に頼りっ放しの私であった。

私の場合K氏あっての修士論文といっても過言ではない。いと、有難し。
彼も彼で自分の論文で相当忙しかっただろうに。
そんなK氏はいつも謙虚で、恩着せがましい所は微塵もなくて、私は涙が出てきてしまいそう。
どんな風に御礼したら良いか今考えているところ。何しろ私と異なり、謙虚が服着て歩いているような人だから見返りを求めたりしない。素晴らしい人間性に感服だ。これは見習わねば…。

兎に角、終わったんだよね、日時を忘れるほど朝も夕も脳裏を支配し、夢で魘され、膨大な資料に埋もれ、倒れそうになりながら、泣きながら、必死で格闘したやつとの闘いが。
お疲れ。俺。

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