「三たびの海峡」
2002年11月30日帚木蓬生著。読了。
第14回吉川英治文学新人賞。もう、10年前の作品ですが。確か映画化もされた筈。
読んでいて辛くて、何度も目頭が熱くなった。
余りに壮絶で、過酷な、一人の男の人生。
日本と韓国が、一番遠い国だった時代の話。
これは小説でフィクションだけれど、これと同じ様な、またもっと凄まじい、当に「事実は小説より奇なり」とでもいうべき人生が、数多くの人の上に重く、暗く、圧し掛かっていたんだと思う。
・・・「ボタ山の所有者川内氏にしても、この無縁墓地を守ろうと決めている。興和寮で痛みつけられ、死んでいった朝鮮人坑夫がいたことも、高辻炭坑の偽りない歴史だからだ。ここに葬られている同胞は一体何のために死んだと思う? お国のためか? そんなものじゃない。他国のために犬畜生のように働かされ、同じ朝鮮人に虐待を受け、故国の土を二度と踏むことなくボタ山に捨てられたのだ。それなのにあんたは、同胞の土を、あんたが痛めつけた同胞の屍を、ブルドーザーで踏みつけようとしている」・・・
帚木蓬生の名前は知っていたけれど、実際読んだのはこれが初めて。
「日本人が書いておくべき義務がある」として、本作を執筆したとのこと。
俄然興味が湧いた。是非とも、もっと読みたい。絶対。
・・・<生者が死者の遺志に思いを馳せている限り、歴史は歪まない>
お前には、不幸な歴史を繰り返さないためにも、海峡を挟む二つの民族の優しい懸け橋になって欲しいのです。・・・
さようなら。・・・
第14回吉川英治文学新人賞。もう、10年前の作品ですが。確か映画化もされた筈。
読んでいて辛くて、何度も目頭が熱くなった。
余りに壮絶で、過酷な、一人の男の人生。
日本と韓国が、一番遠い国だった時代の話。
これは小説でフィクションだけれど、これと同じ様な、またもっと凄まじい、当に「事実は小説より奇なり」とでもいうべき人生が、数多くの人の上に重く、暗く、圧し掛かっていたんだと思う。
・・・「ボタ山の所有者川内氏にしても、この無縁墓地を守ろうと決めている。興和寮で痛みつけられ、死んでいった朝鮮人坑夫がいたことも、高辻炭坑の偽りない歴史だからだ。ここに葬られている同胞は一体何のために死んだと思う? お国のためか? そんなものじゃない。他国のために犬畜生のように働かされ、同じ朝鮮人に虐待を受け、故国の土を二度と踏むことなくボタ山に捨てられたのだ。それなのにあんたは、同胞の土を、あんたが痛めつけた同胞の屍を、ブルドーザーで踏みつけようとしている」・・・
帚木蓬生の名前は知っていたけれど、実際読んだのはこれが初めて。
「日本人が書いておくべき義務がある」として、本作を執筆したとのこと。
俄然興味が湧いた。是非とも、もっと読みたい。絶対。
・・・<生者が死者の遺志に思いを馳せている限り、歴史は歪まない>
お前には、不幸な歴史を繰り返さないためにも、海峡を挟む二つの民族の優しい懸け橋になって欲しいのです。・・・
さようなら。・・・
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